TVの話は↑のエントリーだけにしてマジメな読書記録でも

清水高志の本は第一章だけ読む。ライプニッツ読解について。抽象的でライプニッツの基礎知識がいる。近所の図書館でクセジュ文庫の『ライプニッツ』を借りる。ライプニッツ関係がこれしかなかった。第二章は「ロマン主義と批評」。
あと、よく言われてることだけど、この本の装丁(黒田アキの装画)は素晴らしい。それだけでも一見の価値あり。
ランシエールの「美学的無意識」を読もうとするも、さっそくカントの美学やらバウムガルデンの美学やら、ときて挫折。前も書いたように美学の基礎知識が要るぞ。

それとは関係無しに、中井正一『美学入門』の第1部を再読。僕はふだん本読んで感動することってないんだけど、この本にはなぜだか胸をうたれる。感動的なエピソードや人生論があるわけではない。もはや最先端の美学を扱っているとも言えない。しかし、言葉の端々からにじみ出てくる骨太の思考、いや、本人の言葉を借りて、「愚劣以外の何物でもない瞬間」を目の当たりにしてなお「ほほえみ、生き耐える」ための「美」と言うべきものが、ここから感じられるのだ。批判的に読まないといけない部分ももちろんあるんだけど、個人的に思い入れの深い一冊。
とりあえず全部読んでもっとちゃんとした感想を書きたい。朝日新書はまだ絶版じゃないよな。美術出版社の全集*1、揃えたいなぁ。


『美学入門』は河出書房の市民文庫の一冊として1951年7月に刊行された。他の著書に比べても読みやすいことが好評を得、10万に近い部数を売り上げたとのこと(久野収の解説より)。その翌年、1952年5月17日、胃癌(肝臓癌説あり)により逝去。

美学入門 (朝日選書 (32))

美学入門 (朝日選書 (32))

*1:全四巻。僕が持ってるのは第三巻で、『美学入門』のほかに、映画理論に関する論考がたくさん入っている。「探偵小説の芸術性」なども。