ル・クレジオ「ロートレアモン」より

どのイメージもすでに、言語への意志であるところのあの定着の努力によって歪められている。停めること、もろもろの変身の潮流を停めることが必要であり、虚しい機械の動きを中途で断ち切ることが必要だ。まずもって言葉で殺すことが必要なのだ、殺すために言葉を利用する前に。

無言の世界から言語の世界へと移行する際の傷痕。それが『マルドロールの歌』だという。言語によって傷つけられた、言語そのものである傷痕。

文学は貪婪な怪物である。それが噛み裂くものすべてはそれにそっくり似るし、それが拒むものは実在しない。

文学=それとは言葉そのもの。ル・クレジオは「文化=教養的な飾りを最も脱ぎすてた、原書の言葉に最も近いもの」と述べる。この「原初」は歴史的なものではないだろう。
末尾に引用されているイポ族の諺が印象的だった。

山羊が屠殺人を見つめるのは、屠殺人を殺す希望を抱いてのことである