グラック『アンドレ・ブルトン』続き

ジュリアン・グラックアンドレ・ブルトン』(永井敦子訳)の「Ⅱ私の指先で放電するはずのすべてのもの」を読了。Ⅰはこちら→id:ADabiko:20050126
今回の章は、グラックが見事なまでの手際でブルトンの魅力を引き出している。その辺りを整理しておこう、自分なりに。ただし、それ以外は完璧にキャパシティオーヴァー。だだ漏れです*1
グラックはブルトンを「魅惑という奇妙な現象」と捉え、その現象が従っているという動力的図式*2−「誘導」の図式、「電流」の図式−について述べていく。バシュラールの『水と夢』さながらの方法で、ブルトンが最高位にある美的感覚として問題化するという「「電流」が通過するという感覚」がいかに物質化されいるかを詳細かつ絶妙な引用によって跡付けていく。
この一連の引用に見られる一貫した−にもかかわらずズレていく−イメージこそがブルトンの魅力だろう*3。これほどまでに明快に示されているのは初めて見た。
このようなズレ(効果)をグラックは「磁化」と呼ぶ。

ブルトンのすべての頁が痕跡をとどめるこうした磁化がまさにひとつの想像力の「力線」を形成していることを納得しないわけにはゆくまい。

うん、納得したよ。
「電流」に貫かれ二極化した両極から発生する「稲妻」、「突然の放電」。この「自発的で突然の共鳴状態の発生」を生きていることがブルトンの何よりの特徴とされる。あらゆる障壁を焼き尽くしながら、またも拡散していく「稲妻」として・・・

一連の引用読まないと意味わかんないかも・・・

*1:例えばヘーゲルフロイトベルクソンらとの「共鳴」関係など

*2:安易なあまりに安易な連想→「精神の移動」!!by石川淳

*3:少なくとも僕にとっては